数年に1度の車検。ついうっかりで満了日を過ぎてしまうことは、決してめずらしくありません。
国土交通省によると、およそ8000万台の国内車両保有台数のうち、なんと約510万台もの車両が、車検切れの状態と推定されています。
車検切れのまま公道を運転れば、免許停止や懲役、罰金など重い罰則が科せられます。
万が一事故を起こしてしまえば莫大な損害賠償も発生しますし、そのまま放置していても、自動車税の支払いやもらい事故で損をする可能性もあります。
ですが車検切れの車両も、改めて車検を通すことは可能です。
車検に通すにせよ、抹消登録や売却の手続きを行うにせよ、車検の満了日が過ぎていることに気づいたら、できるだけ早めに対策することが大切です。
今回は、車検切れの車両で受ける可能性がある罰則や、放置していた場合のリスク、さらには車検切れの車で車検を受ける方法や、売却・抹消登録の方法まで、詳しくお伝えします。
車検切れの車を運転することによる罰則とリスク
罰則
車検切れの車やバイクを公道で運転(無車検車運行)すると、罰則として免停・罰金・懲役が科せられます。
また、車検と同時期に契約期間が終了する自賠責保険も契約が終了しているはずです。自賠責保険が切れたまま公道を走行すると、無保険車運行による罰則も発生します。
車検と自賠責保険どちらも切れた状態で走行すると、両方の罰則による違反点数が合算され、免停や懲役の期間、罰金の金額がさらに大きくなります。
無車検車運行の罰則
- 違反点数(6点)
- 免許停止(30日間)
- 6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金
無保険車運行の罰則
- 違反点数(6点)
- 免許停止(30日間)
- 1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
無車検車運行かつ無保険車運行の罰則
- 違反点数(12点)
- 免許停止(90日。単純な合計ではなく、点数により日数が変わるため。)
- 1年6か月以下の懲役もしくは80万円以下の罰金
車検切れとは知らずに運転していて取り締まられた場合は、警告だけで済むこともあるようです。警告を受けたら速やかに車検を受けてください。
「じゃあ『知らずに運転していた』と言えばいいや」と考えているあなたは要注意。2018年9月14日から、国土交通省が導入した新システム「ナンバー自動読取装置」により、車検切れの取り締まりが強化されています。ドライバーに故意や悪意があると判断されると、現行犯で捕まることも。
運転していた車検切れの車が公用車(社用車)でも、罰金刑は公用車の所持者である企業だけではなく、運転者にも科せられますので注意が必要です。
他にも、車検切れのままにしていると、交通事故による莫大な損害賠償や自動車税課税のリスクが付きまといます。
交通事故による損害賠償や罰金のリスク
通常、交通事故による損害は、自賠責保険や任意保険による補償金で賠償します。
しかし、車検切れの車はどちらの保険も無効なことがほとんどです。つまり、自己負担で損害を賠償しなければいけません。
人身事故を起こすと、数百万円から数千万円の損害賠償と罰金が発生することも。これに加え、無車検車・無保険車運行による罰金も科せられます。合計金額はとても払えない額になってしまうでしょう。
自身にまったく過失のない「もらい事故」でも損をしてしまうことがあります。
保険による補償額は上限額が決まっています。修理費用が加害者分の補償額を超えた場合、差額は被害者が自己負担しなければいけません。
ちなみにですが、物損事故は事故による罰則はなく、損害賠償のみです。ただし、無車検車・無保険車運行の罰則は科せられます。
運転しなければOK?放置していてもデメリット
車検切れの車は、放置しているだけでもデメリットがあります。
そのひとつが、車をぶつけられるリスクです。上で紹介したもらい事故のケースと同様に、修理費用を自己負担しないといけなくなるかもしれません。
もうひとつが、自動車税です。自動車税は車検が切れている車も課税の対象になります。納付書が届かないのは、課税が保留になっているか、住所変更が済んでいないから。再度車検を受けると、保留分も含めて課税されます。
自動車税の課税を免れるには、抹消登録が必要です。
車検切れの車で車検を受ける方法
ここまでご紹介したように、車検切れのままだと様々なリスクを抱えてしまいます。まだ乗り続ける車であれば、速やかに車検を受け直しましょう。
車検を受ける方法は、業者への依頼か、自身で検査をするユーザー車検の2種類です。ここではそれぞれの特徴をご紹介します。
業者へ依頼
ディーラー、整備工場、カー用品店などで車検を受けられます。必要書類と費用を用意すれば、法定点検に継続検査、手続きまで代行してくれるため、専門知識や時間がない人でも安心です。
後述のユーザー車検だけを代行してくれる車検代行サービスも存在します。早ければ1日で車が返ってくる素早い対応や、他の方法と比べて費用が安くなりやすいのが特徴です。
ユーザー車検
ユーザー車検とは、法定点検が済んだ車を運輸支局(陸運局)へ持ち込み、自分で継続検査を行う方法です。
継続検査を業者に依頼しないため、費用が安く抑えられるのが特徴です。法定点検はブレーキを取り外すなどの作業もあるので、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。
ユーザー車検を受けるには予約が必要です。国土交通省の自動車検査インターネット予約システムを利用するか、運輸支局へ直接電話します。
日取りが決まったら、必要書類の自動車検査証(車検証)、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書を持参して、運輸支局へ車を持ち込みましょう。
持ち込もうにも、車検切れの車を走らせることは禁止されていたはず。ではどのように持ち込めばよいのでしょうか?
車検切れの車を運ぶ方法
仮ナンバーを取り付ける
仮ナンバー(自動車臨時運行許可)とは、臨時で運転したい車検切れの車に、地方自治体が発行するナンバープレートのことです。これを取り付ければ、車検切れの車でも許可された経路内で運転することができます。
発行の申請は、車検証の「仕様の本拠」欄に記載されている、もしくは車のある場所から運輸支局までの走行経路を管轄している地方自治体で行います。下記の必要書類を持参のうえ、窓口で申請してください(窓口は自治体により異なります)。
【必要書類】
- 車検証など車台番号が確認できる書類(原本)
- 自賠責保険証(原本。走行する期間中に有効なもの)
- 本人確認書類の原本(コピー不可)
- 印鑑
- 手数料(750円)
なお、仮ナンバーの発行は運転当日に行うのが原則です。返却も、発行から5日以内に行わなければいけません。期限を守らないと罰則が科せられますので、スケジュールには十分にご注意ください。
けん引(引っ張って運ぶ)はOK?
こんな面倒な手間をかけなくても、ロープで引っ張って運べばよいのでは?いえ、それはできません。
実は、車検切れの車は引っ張って運ぶ「けん引」も禁止されています。自走していないとはいえ、公道を走っていることに変わりないからです。
前輪または後輪のどちらか路面に接している状態でのけん引も、走行としているとみなされまいます。レッカー車やトレッカーでのけん引がこれにあたります。
車検切れの車のけん引も、仮ナンバーの発行が必要です。別の車で運ぶ場合は、前後両方のタイヤを乗せられる積載車(キャリアカー・ローダー)を利用しましょう。この方法であれば、仮ナンバーの発行は不要です。
車検以外の対処方法
車検が切れた車が不要、または長期間使用しない場合は、売却や永久・一時抹消登録(廃車)という方法もあります。
ディーラーや買取店に売る
少しでもお得に処分するなら、ディーラーや買取店に売却しましょう。
ディーラーに売る場合、新車の購入がスムーズになります。ただし、買取価格は相場を超えません。車の状態次第では無料で下取りされることもあります。
買取店は、販売用の在庫を確保するために相場を超えた買取価格を提示してくれることも。また、車検切れや故障などで動かない車も買い取ってくれるお店もありますよ。
車を高く売るなら、価値が下がる前にできるだけ早く売るのがベストです。売る前の修理や車検は、かけた費用に対して買取価格が上がらないため必要ありません。売却時期は、車を購入する人が増える1~3月・9~10月がおすすめです。
永久・一時抹消登録(廃車)を済ませる
使用しない車は速やかに抹消登録を済ませましょう。旅行や入院などで長期間使用しないけど、いつか使用する予定のある車は「一時抹消登録」を。故障などもう使用しない車は「永久抹消登録」を行います。
抹消登録を済ませると、自動車税の課税対象になりません。一年分の自動車税を一括で納税していた場合は、抹消登録日の翌月以降分が還付されます。
また、保留されている自動車税の課税が免除になることもあります。
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